転職先からのセレクト
自分にも社会にも、もうごまかしの効かない時代に入ったのだ。
人々は、自分の愛する人々のために、生き方の再設計を始めた。
まずライフサイクルを考え、心と体の健康・人生のゆとり・人間としての喜びを得るための人生を設計し始めると、そこに一日の目覚めている時間の半分を過ごす、「仕事生活の豊かさ」が非常に重要なものになってくる。
今や、人々が本当の豊かさを求める上で、「満足のできる自分の仕事・役割を持つこと」は不可欠の条件となっているのだ。
働きすぎニッポンが世界から時短を迫られることは、改めて日本人に「働くということはどういうことか?」を考えさせることになった。
「働き過ぎが是正される」と歓迎する声の一方で、「面白く打ち込んでいる仕事を時間で計るのは納得できない」とする声も生まれた。
長い奴隷制度の歴史をもつ西欧流の、仕事をレイバl 「苦役」ととらえる考え方と、古事記において、神々が機織りや狩猟をして働いていたとする日本古来からの仕事観との根本的な違いを浮かび上がらせることにもなった。
日本では歴史的に労働は卑しいものではなく、勤勉ということばで賞賛され続けてきたものであった。
すしを握っても日本一を目指す職人マインドは、誇りと、仕事の面白さに裏打ちされたもので、「レイパー」ではなく、面白さに重点を置く「ワーク」の考え方に近いと思われる。
それが日本の人的資源を高め、経済大国への原動力ともなってきたのである。
「働きすぎ日本」への批判は、国際的な文化摩擦の現象でもある。
西欧流発想の頂点を極めようとしたバブル時代には、キツイ・キタナイ・キケンという3K職が嫌われる傾向が出たが、バブル崩壊後は見直され始め、女性の現業職進出なども進んできてている。
日本人は、働き方について、自らの文化のアイデンティティを見直すことにより、本当の豊かな人生に向かって、自分にピッタリの「働」を探し始めたのである。
本当の豊かさを探す時代の鍵は「働」新しい時代の「働」 について考えるとき、今一度「人はなぜ働くのか?」という原点に立ち戻って考える必要がある。
しかしこのことは、「人はなぜ愛するのか?」という設問と同じく、とても簡単には語れないものだ。
また簡単に語れないがために、日本人は今まで深く考えることを置きざりにし、目前の豊かさを求め働き続けた結果、世界から「日本人はアリのように働く」などと言われるはめになったのではないだろうか。
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